フランスのパリの街並みは歴史が感じられ、美しいことで有名です。
映画やCM撮影などでもおなじみで、いつ見ても絵になる場所ですよね。
この美しい街並みが保たれている一つの方策として、フランスでは屋外広告に対して厳しい景観条例が昔から施行されていることがあります。
地域によっては、お店の看板はOK、広告は禁止!というエリアもあります。
ざっくり言うと、レストランの入り口に「レストラン」と掲げるのは良くて、お店から少し離れたところに「レストラン」という案内を出すと広告とみなされNGとなるのです。
もちろん、他店のポスターなどもNGということ。
とはいえ、屋外広告の業界に活気がないというわけではなく、逆にテレビや新聞広告などよりも成長率が高いとも言われているんです。
トップの写真は、ちょうど一年前のパリ市内、コンコルド広場で見られた風景です。
建替え中の建物に建物の絵がプリントされたメッシュシートの囲いが付いています。
まさに観光客がたくさん訪れるこの場所に配慮し、景観が守られている風景だと思います。
しかしよく見ると、その右側には広告らしきものが。
実は、条例には特例的な規制緩和が設けられており、国が文化財を修復する際は、このような囲いに広告を掲出し、その広告費が修復費用に充てられていると言います。
文化財に限らず、広告会社が建設会社へメッシュシートの無料設置の話を持ちかけ、その代わりに広告掲出のスペースを得るといいます。普段広告が掲出できないところに、期間限定ではありますが屋外広告掲出が可能になり、街にとっては配慮されたメッシュシートが増えるというまさにwin-winの関係ができあがっているようです。
日本ではまだまだ少ないこのような光景。
フランスのように、他業界同士の結びつきで社会に配慮された環境づくりが増えていくと、街中はもっと素敵になっていくのかなと感じます。