ほんの十数年前まで、私たちの生活の中にはメールも、手軽な家庭用プリンターもありませんでした。
消えるボールペンもなく、書かれている内容のみならず字の美しさまでもが想いを判断される「手紙」が重要なコミュニケーションのツールでした。
その手紙が最近では最強のツールと言われているのはなぜでしょうか。
大量プリントのDMは読まずにゴミ箱行きだとしても、もしそれが手書きだったら目を通さない方は少ないと思います。
自分にだけ向けられたメッセージには、誰しも耳を傾けたくなるものです。
かつてその書くことの面倒くささや大変さ、内容を考える照れくささなどを経験してきている人ほど、受け取った手紙に対して感じる価値も高くなっているかもしれません。
またメールとは違い、ゆっくり時間をかけて運ばれてきたメッセージには不思議と時間の重みもプラスされている気がします。
普段メールでやり取りをしている相手や、いつも会っている人でさえも手書きの文章は心に響くものです。
いつもお世話になっている方へ、改めて筆を執るということは少し敷居が高いことですが、年に一度の年賀状に心を込めて日々の感謝や挨拶を書いてみるといいかもしれません。
新しい年を迎えリフレッシュしたお正月に、ゆっくり目を通してもらえる年賀状は想像以上に想いを伝えられるツールかもしれません。